感想『枝野ビジョン 支え合う日本』

枝野ビジョン

2021年に発行された枝野本『枝野ビジョン 支え合う日本 』は、枝野幸男氏が2014年ごろから執筆を始めた本です。「はじめに」から言葉を引用するなら「総理になる準備が整い、その覚悟ができたと確信した」ことの「一端を示すことができた」ということです。

これからの日本がどう変わるのか
それとも変わらないのか

2021年秋 野党第一党の党首が指し示す方向にどんなビジョンがあるのかじっくりと読みたい一冊です。

枝野ビジョンの評価

さて、それではいよいよ『枝野ビジョン』の感想を、、、といきたい所ですが、その前にのらさんより一言!

先に書いておく。『枝野ビジョン』のAmazon評価は☆2.5近辺になる。なぜなら大量のアンチが☆1をつけるから。ちなみにネトウヨ本が総じて☆5近辺なのはネトウヨしか読まないから。

と、ここまで書いて一応Amazonを見たら既に☆2.5だった。ほーらね✨

ネトウヨ本はネトウヨしか読まない、ではなく、ネトウヨしか相手しないに訂正します。

事実に基づいた近現代史の良書もこういう傾向です。ネトウヨ諸氏が自虐史観!!!とか言って嚙みついて☆1をつける。しかし良心的な読者は☆5をつけるので平均で☆2.5くらいになります😅

のらさんの予想が当たってしまう…

枝野ビジョン第一章

評価も終わって、いよいよ感想を。。。(^.^)

え?
いきなり第一章 不評ですか・・・?

一章は枝葉末節であり、歴史学者が書く著作ではないのだから雑でも良い、文句を言うな、という人もあろう。
しかし、宗教と歴史は、魂であり、根幹である。
今は良い枝や葉も、根や幹が腐っていたり曲がっていれば、長期的にはゆがむのではないかと心配する
(Eugen⊿さん)

さらにEugen⊿さんによる
「枝野幸男著『枝野ビジョン』1章への批判 歴史観と宗教の問題について」
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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https://twitter.com/saori_kono/status/1397507897064517633?s=20&t=fBXohFZC6S5XoQ0GTJZcxg

枝野ビジョン 支え合う日本


しかし。「現状認識、「政策」では深く首肯く部分が多い」とぷろいせんさん。

シュナイダーさん「枝野幸男「総理」の所信表明と言える一冊」


ゆじたさんの「枝野ビジョン」の大真面目な感想文

〈政治が一部の「弱者」だけを保護すれば、多くの国民に不満がたまってしまう(P139)〉という、いわゆる劣等処遇原則と自己責任論がまかり通り、国内外の個人の基本的人権が尊重されない日本。

〈「お互いさまに支えあう」社会構造を取り戻すことが、「目指すべき社会像」であり、そのために政治が最大限の役割を果たすというのが、私たちの理念である(P146)〉
と述べるが、自助共助公助で分類される社会保障のどれに当てはまるのかはあいまいだ。

〈今、求められているのは(中略)観念論から脱却した、地に足の着いた現実的な外交・安全保障論(P239)〉であり、「健全な日米同盟を軸に」と述べているが、これも観念論のひとつのように感じた。

全体的に主語(党代表か地元代議士としてか)が少なく、主張があいまいに感じられ、

(〈社会保障財源の確保という大義名分とともに(P219)〉の尾ひれがついた)消費税制と社会保険料の逆進性の比較から総合的に見直すべきという主張も、消費税制そのものに疑問を持つ有権者を納得させるデータがない。

歴史認識(天皇制、村落共同体の支えあい)も30年前からアップデートされてない印象で、それでも同じ年代のどの政治家よりも確かな現状認識を感じさせるが、その認識に至った足跡(参考文献)の提示もないく、読み進めるうちに付箋がたくさん付けられていった。

地元有権者としてはこの本で全国的な知名度が上がってうれしい反面、
たとえば〈給食の無償化や放課後児童クラブの拡大と充実(P172)〉にも至っていない地方自治の現実も直視すべきでは、と強く感じた。

最後に私が思うところの一部分で僭越ながらも、
30年もの低飛行が続く日本社会の今後の再興のためには、
#枝野ビジョン での不足が大いに批判されると同時に、良いところも大いに共有されてほしいと願っている。
(以上です、失礼しました)

ゆじたさんのツリーをたどっていきますと、演説会文字起こしの引用RTもありますので必見です!

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著者が「目指すべき社会像」を提示した一冊。保守やリベラルといった概念から、経済、社会保障、エネルギー、外交・安全保障まで幅広く論じている。

私は社会保障に興味関心があるのだが、年金や介護などを高齢者のための政策と矮小化するべきではないという視点や、経済政策としての社会保障という視点には大いに頷く。社会保障政策をはじめ、本書で示されている内容はほぼ支持できる内容だった。

ただ、本書の内容はあくまでも「枝野」ビジョンであり、「立憲民主党」ビジョンでは無い。著者は旧民主党の問題点として、理念や哲学の共通認識の不足を挙げている(73頁)。果たして立憲民主党はどうだろうか。

Twitterを見る限りだが、立憲所属の国会議員ながら著者と理念を一にしていないのでは?と思わせる呟きも見聞きする。本書の内容を立憲の政策として具体化しなければ、本書の内容は絵に描いた餅となってしまう。

個人的な趣味として残念に思ったのは、参考文献が一切載っていないこと。一次産業が水や空気、土地、緑などを守ってきた多元的価値を有するとの視点は、宇沢弘文の「社会的共通資本」の考えが基にあると思われる。また、社会保障を普遍主義的に拡大しつつ現物給付を重視する視点は、井出英策の「All for All」の考えが基にあると思われる。

立憲民主党はボトムアップの政治像を掲げている。だとすれば尚更、有権者と共に学ぼうというメッセージを込める意味でも参考文献は載せてほしかった。個人的に残念に思ったのはこの程度。

批判的に本書を読んだつもりではいたが、思っていた以上に納得のできる内容で良い意味で裏切られた。自公政権との対立軸としても明確で、これなら自公政権に代わる選択肢となり得る内容に感じた。

ただし、これが政策として提示できる段階にまで達したらの話であり、有権者に分かりやすく提示できなければ何も意味が無い。微力ながら応援するのでガンバってほしい。


立憲民主党の山内康一議員のツイート。
リンク先は議員による「枝野ビジョン」の解説です。

https://twitter.com/account_202004/status/1403991251385344000?s=20

のらさん「自公維に代わる選択肢となり得る」

  伝われ!!

立憲民主党・枝野代表と情報労連・安藤委員長の対談

立憲民主党・枝野代表と情報労連・安藤委員長の対談です。テーマの中心は雇用・労働問題。「枝野 幸男,安藤 京一 – 「自己責任」から「支え合う社会」へ 働く人を大事にする政治への転換を」

田中信一郎氏と枝野幸男氏の対談

最後は田中信一郎氏と枝野幸男氏の対談です。
『枝野ビジョン』『国家方針を転換する決定的十年』2冊から見えてくる「もう一つの日本の進路」。

https://twitter.com/SHIME20kr01bird/status/1420716950435504129?s=20

『国家方針を転換する決定的十年』の感想も募集中です!

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